小満とは何か 穏やかな陽気が満ちる季節をできるだけわかりやすく解説
2025/01/13
春から初夏へ向かう途中、自然がいっそう生き生きしてくる頃が訪れます。
そんな二十四節気の一つが「小満(しょうまん)」です。
私自身、小満という名前からは「何かが少し満ちている」という印象があり、調べてみると草木や穀物が育って、万物が少しずつ満ちあふれはじめる意味だとわかりました。
ここでは小満の語源や太陽黄経との関わり、気候や七十二候の特徴、そして行事・暮らしの知恵までをできるだけわかりやすくまとめました。
春から初夏への変化を楽しむためのヒントとして、ぜひ読んでみてください。
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小満とは何か
小満は、二十四節気のうち、五月二十日ごろを目安に始まる節気です。
文字通り、草木や穀物が「少しずつ満ち足りてくる」状態を指し、すべての生命がいきいきと生長している時期だといわれます。
先の節気である立夏から少し時間が経ち、気温が更に上昇し、日差しが強まり始めるため、自然界が本格的な初夏の装いにシフトしていきます。
私もこの頃になると、「もう春は終わりかな」と感じ、夏らしい雰囲気を少しずつ感じ取るようになります。
青々と茂る稲や麦の穂を見ると、「本当に順調に育っているなあ」と、人間よりも早く季節を先取りしているように思える瞬間があり、この「小満」という名がしっくりくるのです。
節気の語源・太陽黄経との関わり
二十四節気は、地球が太陽を一年かけて回る際、太陽と結ぶ角度(太陽黄経)を十五度刻みで区切ったものとされています。
小満は太陽黄経が六十度に達したところで、立春(三百十五度)や春分(零度)などから数えると、だいぶ進んだ位置。
私が感じるのは、ここまで来ると「夏直前の段階」に差し掛かったとも言えます。
語源としての「満」は、「満ちる」「充実する」という意味を持ち、「小さいながらも満ち足り始めた状態」を表現しているのが「小満」です。
つまり、「まだ完全には満ちていないけれど、成長や成熟の兆しがはっきりしてきた」というイメージがこの節気には込められているのです。
この節気に起こる気候の変化
小満の頃になると、日中の気温はかなり上がり、汗ばむ日が増えてきます。
朝晩はまだ少し涼しいかもしれませんが、日差しの下で作業すると「もう夏が近い」と思わずにはいられないような暖かさを感じるでしょう。
植物や作物に目を向けると、稲や麦などがどんどん育ち、畑の野菜も一気に大きくなる時期。
家庭菜園をしている方なら、「あ、収穫が楽しみになってきたな」と、気持ちが高まるのではないでしょうか。
気候的には梅雨前なので、晴れの日が多い印象もあるかもしれませんが、地域によってはもうすぐ梅雨入りが近づいているケースもあります。
天気が安定しているうちに、屋外での行楽やイベントを楽しんでおきたいと感じる方も多いはず。
私もこの時期によく山や川へ出かけて、少し早めのキャンプやバーベキューを満喫することがあります。
七十二候との関係
二十四節気を五日ごとに三つに分けた七十二候には、それぞれの節気が持つ細やかな季節変化が表現されています。
小満にも三つの候があり、初夏らしさを一層感じられる言葉が並びます。
1.蚕起食桑(かいこ おきて くわを はむ)
蚕が起きて桑の葉を食べ始めるころ、という意味。
かつて日本でも盛んだった養蚕業には、とても大切な目安でした。
2.紅花栄(べにばな さかんに さく)
紅花が盛んに咲く時期を示す候。
紅花は染料や口紅の材料としても知られ、派手なオレンジや赤が目を惹く花です。
3.麦秋至(ばくしゅう いたる)
「麦の秋が来る」と書きますが、これは麦の収穫期を指す言葉。
稲の秋ではなく、麦が成熟して黄金色になるのが初夏というのが興味深いところですね。
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関連する行事や食べ物暮らしの知恵など
小満の時期は、前の立夏に続いてさらに気温が上昇するため、夏準備を本格化させるチャンスです。
たとえば、衣替えの前倒しをする、扇風機やエアコンの点検をする、といった家事を始めるとスムーズに夏を迎えられるでしょう。
農家や園芸を楽しむ人にとっては、作物が順調に育ち、「そろそろ収穫が近い」とワクワクする反面、害虫対策や適度な水やりが必要になります。
私も庭のプランターで野菜を育てていると、この時期にいろいろな植物が「小さな実」をつけ始める光景にときめきますね。
食べ物面では、青梅が出回り始め、梅酒や梅シロップ作りをスタートする人も多いでしょう。
青梅を砂糖と一緒に漬け込むと、初夏の清涼感を味わえるシロップができるので、私も毎年作るのが楽しみです。
また、初夏の山菜や新茶などもシーズンを迎え、気分が一気に「夏前だな」というムードになる時期でもあります。
運動会や遠足などの行事が行われる地域もあり、屋外での活動が盛り上がる一方、日差しが強い日は熱中症に気を付けましょう。
前の節気はこちら:
立夏
次の節気はこちら:
芒種(リンク先例)
春の総論はこちら:
春の二十四節気総論
トップ記事はこちら:
二十四節気を徹底解説するトップページ
まとめ
小満は、文字通り「万物が少しずつ満ち始める」時期として、五月二十日ごろを目安に訪れる節気です。
立夏を過ぎて気温がさらに上がり、日差しも強くなってくるため、初夏らしさを本格的に感じ取れるようになります。
七十二候では蚕起食桑、紅花栄、麦秋至の三候が設定され、それぞれ初夏の風景を特徴的に描写しています。
暮らしの面では、家や衣類の夏支度を始めたり、梅や夏野菜の準備を進めたりと、次の季節へ動き出す最終段階に入るわけです。
私自身も、このタイミングで扇風機や夏物衣料を出してみたり、梅仕事(梅酒や梅干しづくり)を計画したりします。
まだ梅雨入り前の地域もあるので、晴れ間を生かしてレジャーに出かけるのもいいでしょう。
次の節気は芒種(ぼうしゅ)。
梅雨入りと重なる年が多いため、空模様がガラリと変わる前の快適な陽気を存分に味わっておきたいところです。
夏直前のこの“ちょうどいい暖かさ”を楽しみながら、冬や春にはできなかったアクティビティに挑戦してみるのはいかがでしょうか。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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