小寒とは何か 冬本番直前の寒さをできるだけわかりやすく解説
2025/01/22
新しい年を迎えて間もない頃、カレンダーをふと見ると「小寒(しょうかん)」という文字に気づく方もいらっしゃるでしょう。
二十四節気の中でも、小寒は「寒の入り」と呼ばれ、最も厳しい寒さに向かう始まりの節気です。
私自身、毎年この頃になると、冬の冷え込みが一段と増すのを肌で感じるようになります。
ここでは、小寒の語源や太陽黄経との関わり、気候の変化、七十二候、それに関連する行事や暮らしの知恵などをできるだけわかりやすくまとめました。
真冬に突入する前に、その特徴を理解して上手に過ごしてみませんか。
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小寒とは何か
小寒は、二十四節気のうち、一月五日ごろを目安に始まる節気です。
漢字のとおり「まだ大寒ほどではないが、寒さが強まっていく段階」を表します。
この小寒から、次の大寒までの約一カ月が「寒の内」と呼ばれ、一年で最も冷え込みが厳しくなると考えられてきました。
太陽黄経でいえば二八五度に当たる位置。
冬至(二七〇度)を過ぎてからさらに十五度ほど進んだところが小寒というわけです。
私の感覚では、年末年始の行事が終わり、少し気が緩んだころに「いよいよ本格的に冬だな」と実感させてくれるのが小寒ですね。
暦の上ではまだ先の立春(三百十五度)までしばらくあるため、「春は遠い…」と少しブルーになることもありますが、だからこそ冬ならではの過ごし方を工夫できる良いタイミングだとも言えます。
この節気に起こる気候の変化
小寒に入ると、地域によっては大雪が降ったり、最低気温がグッと下がったりと寒さが一段と増すのが特徴です。
全国的に見ても、北日本を中心に根雪(こんゆき)となるエリアが拡大し、太平洋側でも冷たい風が吹き荒れるケースが多いでしょう。
私自身、この頃になると朝晩の冷え込みが本格化して、布団から出るのが一段とつらくなると感じます。
一方で、冬本番に突入することで、空気が澄んだ晴れの日には星がきれいに見えたり、乾燥による朝の霜が美しい景色を作り出したりする楽しみも。
ただし、乾燥に伴う火事やインフルエンザなどのリスクが高まるので、保湿や手洗いなど健康管理には気を配りたいところです。
農作物に目を向けると、暖地では冬野菜の収穫期が続き、寒さで甘みが増す野菜もある反面、寒冷地の畑は一面雪で覆われているかもしれません。
こうした地域差が顕著になるのも小寒から大寒へかけての特徴かもしれません。
七十二候との関係
二十四節気をさらに約五日ごとに三つに分けたものが七十二候です。
小寒にも、冬の冷え込みとともに動植物がどう動いているかを示す三つの候があります。
代表的に以下のような表現が見られます。
1.芹乃栄(せり すなわち さかう)
セリが勢いよく生長するころ。
寒い中でもセリなどの野草がみずみずしく育つ姿は、冬の妙味という感じがしますよね。
2.水泉動(しみず あたたかを ふくむ)
泉の水がほんの少し暖かさを含んで動き始めるという意味。
厳冬期に入るとはいえ、地下水は地熱の影響もあって想像以上に冷え切らないことも。
3.雉始雊(きじ はじめて なく)
キジが鳴き始める時期。
春はまだ遠いようでも、鳥たちの生態系では新しい季節へ向けた準備が始まっているのかもしれません。
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関連する行事や食べ物暮らしの知恵など
日本では、小寒を迎えると、「寒中見舞い」を出す習慣がある方もいらっしゃるでしょう。
年賀状のやり取りが一段落したあとの時期に、「寒中お見舞い申し上げます」と書いて近況を伝えるというのは、小寒から大寒までの「寒の内」を意識しているわけですね。
また、寒中水泳など、あえて寒さを活かしたイベントを行う地域もあり、見ているだけで震えそうですが、冬の風物詩として定着しているところもあるようです。
食べ物面では、根菜類(大根、ニンジン、ゴボウなど)がいよいよ甘みを増す時期。
暖かい鍋料理や、野菜をたっぷり使ったスープなど、身体を温めるメニューが恋しくなりますね。
私なんかはお正月太りを解消するためにも、野菜多めの鍋料理をよく食べます。
家庭菜園をやっている場合は、暖地であればまだ冬野菜の収穫期が続きますし、春作の準備をそろそろ始めたいと思う時期かもしれません。
窓際でハーブやベビーリーフなどを育てる方も増え、寒い中でも小さな緑を取り入れる工夫が楽しいシーズンです。
前の節気はこちら:
冬至
次の節気はこちら:
大寒(リンク先例)
冬の総論はこちら:
冬の二十四節気総論
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まとめ
小寒(しょうかん)は、一月五日ごろを目安に始まる二十四節気で、「本格的な寒さの始まり」とも言われます。
年が明けてお正月ムードが少し落ち着いたころに、「まだまだ冬本番はこれから」と実感する節気ですね。
太陽黄経二八五度に位置し、冬至(二七〇度)から十五度進んだ段階で、次の大寒までが一年の中で最も冷え込む「寒の内」とされます。
七十二候では、芹乃栄、水泉動、雉始雊など、冬の厳しさのなかでも生物がわずかに動き出す様子が示されていて、自然界の細やかな変化を感じ取る楽しみがあります。
暮らしの中では、寒中見舞いを出したり、野菜が一段とおいしくなったり、暖かい鍋料理がうれしかったりと、冬ならではの楽しさがあるのも事実。
寒さは体に堪えますが、室内でのリラックスや暖をとる工夫をしながら、この時期ならではの食材や行事に目を向けるのも良いのではないでしょうか。
私自身、寒い朝には熱々のスープや紅茶で体を温め、しっかり防寒して外出する習慣をつけると、意外と快適に過ごせることを発見しました。
大寒に向けてさらに寒さが増す一方、立春まであと少し、と心の中でカウントダウンしながら、小寒の季節を乗り切ってみてください。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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