清明とは何か 春がますます深まる季節をできるだけわかりやすく解説
2025/01/12
春分を過ぎてしばらくすると、日差しの暖かさがいよいよ本格的になってきます。
そんなタイミングで訪れる二十四節気の一つが「清明(せいめい)」です。
名前の通り、万物が清らかで生き生きとした雰囲気をまとう季節がやってきたという合図でもあります。
私自身も、この頃になると花粉症と闘いながらも、外に出ると春の柔らかい風を心地よく感じる瞬間が増えて嬉しくなります。
ここでは、清明の語源や気候の特徴、七十二候との関係、そして行事や食べ物、暮らしの知恵などを詳しくまとめてみました。
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清明とは何か
清明は、二十四節気の中でも「万物が生き生きとして、清らかで明るい状態になる」という意味を持つ節気です。
多くの場合は、四月五日前後に当たることが多く、桜の開花もピークを迎える時期に重なるため、自然界全体が花や若葉で彩られる印象が強いです。
もともと、二十四節気は太陽と地球の位置関係(黄経)によって定義されており、清明の場合は太陽黄経が十五度に達したころとされていますが、今回は「できるだけわかりやすく」とのことなので、細かい度数の話は控えめに、感覚的に「春がいよいよ深まる節気」と捉えてみましょう。
中国大陸や台湾などでは「清明節」という重要な行事があり、先祖の墓参りをする習慣が根付いています。
日本にはそのまま行事として残ってはいませんが、お彼岸の名残のような形で、春の家族行事をこの時期に合わせて行う地域もあるようです。
この節気に起こる気候の変化
清明の頃になると、春分で感じ始めた暖かさがさらに増して、朝夕も少しずつ過ごしやすくなってきます。
桜が散り始める地方もあれば、まさに見頃を迎える地方もあり、地域差はあるものの「春本番」に突入するイメージが強いです。
虫や鳥たちの活動も活発化し、花や緑が一斉に育つため、景色が急に華やかになるのを感じます。
私などは、つい外を散歩しながら「春ってこんなに人や自然を元気にするんだなあ」と、しみじみ思う瞬間が増えます。
一方で、春の嵐が発生しやすい時期でもあるため、突然強い風や雨に見舞われることも。
晴れやかなイメージの清明ですが、時折の天候の変化には注意が必要かもしれません。
七十二候との関係
清明は二十四節気の中で四月上旬に位置しますが、さらに約五日ずつ三つの候に分割したものが七十二候です。
清明に属する三つの候も、春らしさを感じる表現が並びます。
どんな風景がイメージできるのか、少し覗いてみましょう。
1.玄鳥至(つばめ きたる)
ツバメが南方から飛来する時期を意味します。
家の軒先でツバメが巣を作り始めると、本格的に春が来たなと実感できますよね。
2.鴻雁北(こうがん きたへかえる)
鴻雁(こうがん)は渡り鳥の一種で、冬を南で過ごした雁が北へ帰っていくことを示します。
冬鳥が去り、夏鳥が来るころ、季節のバトンタッチを感じます。
3.虹始見(にじ はじめて あらわる)
雨上がりに虹が見られ始める時期。
空気が暖かくなり、大気中の水滴が虹を作りやすくなるというイメージです。
ちょっとした天候の変化が、春らしい華やかさにつながるとも言えますね。
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関連する行事や食べ物暮らしの知恵など
清明の名を冠した行事としては、中国や台湾などで「清明節」が有名です。
先祖の墓参りをし、家族の絆を再確認する大切な行事として根付いています。
日本では同様の習慣がそのまま残っているわけではありませんが、春のお墓参りを清明の時期に合わせる家庭もあるようです。
暮らしの面では、冬から続く野菜類が切り替わり、春の山菜や野菜が本格的に出回るころ。
筆者はよく、菜の花やタケノコを使ったレシピを楽しむのですが、苦味や香りがまさに春を感じさせてくれるんですよね。
また、外を歩いていると新年度シーズンでもあり、新入学や新社会人といったフレッシュな姿を見かけて元気をもらうことが多いです。
お花見シーズンのピークを過ぎた地域だと、桜が散り、新緑がいよいよ顔を出す頃でもあります。
夏に向けての準備を少しずつ始めるのもいいかもしれませんね。
ガーデニングや家庭菜園が趣味の方にとっては、清明は種まきや苗の選定をスタートさせる好機でもあるはずです。
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春の二十四節気総論
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まとめ
清明は、春がいよいよ本番を迎える節気として、自然や人々の活動が一気に華やぐイメージがあります。
立春や雨水、啓蟄、春分と進んできた二十四節気の流れの中でも、清明を過ぎれば、日の光はさらにまぶしくなり、野山は若草色に染まっていくでしょう。
七十二候の玄鳥至や虹始見など、春ならではの景観を思い描きつつ、新しい季節へのワクワクを感じ取るのも面白いものです。
中国での清明節はお墓参りがメインイベントですが、日本でも花見や山菜採りなど、春ならではの楽しみが盛りだくさん。
私も毎年、桜が散る頃になると「もう春も折り返しだな」と名残惜しく感じますが、清明のころは植物の新緑が美しく、これから来る穀雨や立夏へ向けての期待が高まります。
ぜひ、このタイミングに春の自然を満喫し、季節を先取りして暮らしを充実させてみてください。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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