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1月といえば 1月のイベント・行事

関西の冬を彩る伝統行事「戎祭」とは?商売繁盛を祈るその由来と魅力を徹底解説

2025/01/06

日本には年間を通じてさまざまな祭りや行事がありますが、関西圏の冬の風物詩といえば「戎祭(えびすまつり)」。

主に大阪や兵庫などで盛大に行われる、商売繁盛の神様・えびす様をお祀りするお祭りです。

なぜ関西だけで盛り上がっているのか? 戎祭のルーツや有名神社の紹介など、気になるポイントをじっくり紐解いていきます。

 

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1.戎祭とは何か?

 

1-1.商売繁盛の神「えびす様」を祀る祭り

戎祭(えびすまつり)とは、**えびす様(事代主神=ことしろぬしのかみ)**を中心に、商売繁盛や大漁祈願を願うお祭りのこと。

「ゑびす祭り」とも表記されることがあります。えびす様は七福神の中でも唯一の日本生まれの神様で、

  • にこやかな笑顔
  • 釣り竿(または竿を持った鯛)
  • 小槌や福笹(ふくざさ)

などのモチーフで表されるため、「福を呼び込む神様」として古くから人々に親しまれてきました。

戎祭は1月9日・10日・11日あたり(宵戎・本戎・残り福)に行われることが多く、特に関西エリアでは“一年で最も大きな商売繁盛行事”といっても過言ではありません。

 

1-2.「十日戎(とおかえびす)」とも呼ばれる

戎祭は、メインとなる日が1月10日にあたるため、**「十日戎(とおかえびす)」**とも呼ばれます。

この時期になると、関西各地の戎社(えびすしゃ)や神社で大々的な祭典や露店が開かれ、福笹や熊手、縁起物が授与されます。

地元の人々や観光客が大勢参拝に訪れ、神社周辺の通りはとても活気に満ちあふれます。

 


2.戎祭の由来~どうして商売繁盛のお祭りになったの?

 

2-1.えびす様の起源

えびす様の神話にはいくつか説がありますが、有力なのは事代主神(ことしろぬしのかみ)を祭神とする説です。

事代主神は、大国主神(おおくにぬしのかみ)の御子神であり、水辺や海運に関わる神様としても信仰されてきました。

漁業の神様から転じて、次第に商売や金運にもご利益があると広まった背景があるのです。

また、七福神のうち唯一の日本由来の神様であることから、農業・漁業・商業など生活に密着した「繁栄」を担う守り神として、人々の生活全般を支えたと考えられています。

 

2-2.庶民の信仰と文化

室町時代や戦国時代を経て、江戸時代の大阪が商人の町として発展する頃には、えびす様=商いの神様としての信仰がより強くなっていきます。

大坂(大阪)は「天下の台所」として米や酒、雑貨などの物流の中心地でしたが、そこに携わる商人たちの熱い信仰心が、えびす様に向けられたのです。

「えべっさん」と呼ばれることも多く、親しみを込めて崇敬する風習が広がり、正月明けには神社に集まって「今年も商売繁盛でいきますように」と願をかけるイベントが定着していきました。

それが現在の戎祭へと発展したというわけです。

 


3.なぜ関西地区だけで盛大に行われているのか?

 

3-1.経済の中心地で育まれた商人文化

大阪・兵庫・京都をはじめとする関西圏は、江戸時代から商人の街として栄えました。

大阪が「天下の台所」と呼ばれた背景からもわかる通り、商人が多く集まる地域では「商売繁盛」の神様への信仰が特に深まるのは当然の流れでした。

そのため、えびす様をお祀りする神社が数多く存在し、正月明けに大々的なお祭りを行う風習が強く根付いたのです。

 

3-2.漁港や港町としての歴史

もう一つの要素として、近畿地方は瀬戸内海や大阪湾、神戸港など、海運や漁業で栄えた土地柄です。

えびす様が元来漁業の守護神として信仰されていた背景と合致し、港町や漁村でも盛大に戎祭が行われるようになりました。

こうした商業と漁業の二つの文化が合わさることで、関西特有の盛り上がりを見せるようになったといえます。


4.戎祭の本山と有名神社

 

4-1.今宮戎神社(大阪府・大阪市)

今宮戎神社 - Wikipedia

「戎祭」と聞いて、まず思い浮かぶのが今宮戎神社(いまみやえびすじんじゃ)

大阪の中心部、ミナミ(難波)エリアに近い場所にあり、毎年1月9日~11日に行われる**「十日戎」**は全国的にも有名です。

  • 行事の特徴:
    • 9日(宵戎・よいえびす)
    • 10日(本戎・ほんえびす)
    • 11日(残り福・のこりふく)

この3日間で「福笹(ふくざさ)」や縁起物を受け取り、福娘からお祓いを受ける人々で大変賑わいます。

毎年100万人以上が参拝に訪れると言われ、参道に並ぶ屋台も大阪らしい活気に満ちあふれ、祭りの熱狂的な雰囲気を肌で感じることができます。

 

4-2.西宮神社(兵庫県・西宮市)

西宮神社 正月・十日えびす 行事のご案内

兵庫県西宮市にある**西宮神社(にしのみやじんじゃ)**も、戎祭の大本山として知られます。

ここでは「開門神事福男選び」がメディアで取り上げられることも多く、**1月10日早朝、神社の門が開くと同時に本殿へ全力疾走して一番乗りした人が“福男”**となる伝統行事が有名ですね。

  • 見どころ:
    • 開門神事の迫力と疾走感
    • 「商売繁盛で笹もってこい」の掛け声に合わせた祭りの盛り上がり

同じく1月9日~11日にかけて開催され、数十万人以上が訪れる一大イベントです。

4-3.京都ゑびす神社(京都府・京都市)

京都ゑびす神社】アクセス・営業時間・料金情報 - じゃらんnet

京都市東山区の京都ゑびす神社は、八坂神社や清水寺にも近い繁華街に位置しており、かつての花街文化とも深く関わりがあります。

こちらも1月8日~12日あたりにかけて**「ゑべっさん」**として戎祭が催され、舞妓さんが参拝に訪れるなど、京都らしい雅な雰囲気が特徴です。

ほかの大都市圏の戎祭に比べてややコンパクトながらも、京都の伝統とえびす様の信仰が融合した独特の風情を味わうことができます。

 


5.戎祭の見どころ・楽しみ方

 

5-1.福笹と縁起物を授かる

十日えびす(えべっさん)の縁起物「福笹」とは? | アイディアいっぱいお庭ブログ

戎祭の大きな魅力の一つは、福笹やさまざまな縁起物を授けてもらえること。

  • 福笹(ふくざさ): 青々とした笹に小判や鯛、恵比寿様の飾りなどを付け、商売繁盛を願うもの。
  • 熊手: 福を「かき集める」縁起物として、熊手に装飾をつけたものが販売される。
  • 縁起物の飾り: 招き猫や打出の小槌など、神社によって多彩なグッズが用意されている。

これらを境内で購入し、神職や福娘からお祓いを受け、1年間お店や自宅に飾ることで「福を呼び込む」と言われます。

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5-2.福娘との触れ合い

大きな戎祭では、**福娘(ふくむすめ)**と呼ばれる女性たちが神社で参拝客に対応し、福笹を授けたり記念撮影に応じたりします。

福娘は神社が毎年募集やオーディションを行い、厳正な審査を通過して選ばれるため、多くの参拝客にとって縁起の良い存在。

明るく華やかな着物姿が祭りに彩りを添えてくれます。

 

5-3.参道の屋台巡り

出店の屋台、各店メニューが1つだけなのはなぜ? - ウェザーニュース

宵戎や本戎の時期は、神社周辺の参道にたくさんの露店や屋台が軒を連ねます。

  • お好み焼き、たこ焼きなどの粉モン
  • リンゴ飴やベビーカステラなどの定番お祭りグルメ
  • 地域性豊かなB級グルメ

大阪・神戸・京都など、それぞれの街で特徴的な食べ物を楽しめるのも、戎祭ならではの醍醐味です。


6.戎祭のマナーや注意点

 

6-1.混雑状況と防寒対策

戎祭の期間中は、どの神社も数十万~百万人規模の参拝客が訪れる大混雑が予想されます。特に10日の本戎はピークとなるため、

  • 朝早く行く
  • 平日に狙いを定める
  • 複数人で行き、迷子にならないよう合流場所を決めておく

など、余裕を持って行動しましょう。また、1月上旬から中旬にかけては冷え込みが厳しいので、暖かい服装と防寒具を忘れずに。

 

6-2.縁起物の交換タイミング

毎年、戎祭で授与された福笹や縁起物は、翌年の戎祭が始まる頃に神社へ返納(お焚き上げ)するのが一般的です。

新たに授与されたものと交換することで、1年間の商売繁盛のご利益を継続させるといわれています。

 

6-3.静粛に参拝を

戎祭は非常に賑やかなお祭りですが、あくまで神様をお祀りする神聖な行事でもあります。

周辺で騒ぎすぎたり、境内を走ったりする行為は避けましょう。

スムーズな参拝とお互いに気持ちよく過ごすために、係員の誘導やマナーを守ることが大切です。

 


7.「戎祭」の今後と新たな魅力

 

7-1.インバウンド需要への対応

近年は外国人観光客(インバウンド)も増加し、戎祭のような伝統行事にも注目が集まっています。

神社や観光協会は、英語や中国語など多言語対応のパンフレットを用意したり、SNSで海外向けに情報発信を行うなど、国際的な祭りへと進化している面も見られます。

日本の独特な文化に触れたい外国人にとって、戎祭は大変エキサイティングなイベントと言えるでしょう。

 

7-2.オンライン参拝やグッズ販売の拡大

コロナ禍以降、オンライン参拝や神社グッズのネット販売など、新たなスタイルで戎祭を楽しむ動きも見られます。

遠方に住んでいてなかなか現地に行けない人や、多忙で時間が取れない方にも、デジタル技術を活用して縁起物を取り寄せたりライブ配信を見ながら参拝することが可能になりました。

こうした多様化が進むことで、戎祭の魅力がより多くの人々に広まっていくでしょう。


8.まとめ:関西を盛り上げる冬の一大行事「戎祭」

 

戎祭は、

  • 関西特有の商人文化と漁業の歴史から生まれた
  • えびす様という日本由来の神様を祀り、商売繁盛・大漁祈願を祈る
  • 1月9~11日前後に関西各地の戎社で大々的に行われる

という特徴を持つ冬の伝統行事。

今宮戎神社や西宮神社、京都ゑびす神社など、各地域ごとにカラーが異なるのも見どころです。

福笹や縁起物を通じて「今年も商売が上向きになりますように」と願いながら、にぎわう参道でグルメや人々の熱気を楽しむのは、関西人だけでなく誰にとってもワクワクする体験でしょう。

この冬、もし関西エリアを訪れる機会があるなら、ぜひ一度「戎祭」に足を運んでみてください。えびす様の優しい笑顔と、関西ならではの盛り上がりが、あなたにも新たな「福」を運んできてくれるかもしれません。

 

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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