2025年版・ひな祭りの由来と雛人形を飾る理由~厄払いから女の子の幸せを願う行事へ~
2025/01/06
3月に入ると、すぐにやってくるのが「ひな祭り」。
女の子の健やかな成長や幸せを願う日本の行事として、古くから大切に受け継がれてきました。
筆者の家でも、おじいちゃんが買ってくれた七段飾りの雛人形を毎年出しており、一大行事だったのを思い出します。
ただ、今では七段飾りの豪華な雛人形を出すご家庭は減っているようで、「なぜ雛人形を飾るのか?」を知らない人も多いかもしれません。
そこで今回は、2025年版として、ひな祭りの由来や歴史、雛人形の意味などを大幅に加筆した読み応えある内容でまとめてみました。
ぜひ最後まで読んでみてくださいね。
「そもそも、なぜ雛人形を飾るの?」「ひな祭りってどんな歴史があるの?」
そんな疑問をスッキリ解決しながら、女の子の行事として花開いたひな祭りの魅力を再発見していきましょう。
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ひな祭りとは?~2025年版の視点で改めておさらい~
日本では平安時代頃から「五節句」という重要な行事が行われ、節目に身の穢れを払い、健康長寿や厄除けを願う風習がありました。
さらに遡ると、古来日本では1年のうち何度か巡ってくる「季節の変わり目(節目)」を特に大切にし、そこに厄が入りやすいと考えられていたため、厄払いの行事を行ってきたのです。
このように「季節の節目=節句」としていた流れが、江戸時代初期に制度として整えられ、年に5回行われる重要な儀式が「五節句」として定められました。
人日(じんじつ):1月7日
上巳(じょうし):3月3日(=ひな祭り)
端午(たんご):5月5日
七夕(しちせき):7月7日
重陽(ちょうよう):9月9日
そのうちのひとつが3月3日の「上巳の節句」で、ちょうど桃の花が咲く季節であることから「桃の節句」とも呼ばれてきました。
現在では「上巳の節句 = ひな祭り」として、特に女の子のための行事として定着しています。
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ひな祭りはいつ? 地域によって日程が違う?
もともと上巳の節句は、旧暦(太陰太陽暦)で3月上旬の巳(み)の日に行われていましたが、中国・魏(ぎ)の時代に3月3日という形に統一されたと言われています。
その影響から、日本でも全国的には3月3日にひな祭りを行う地域が多いです。
しかし、東北や北陸などの寒冷地帯では、4月3日にひな祭りを行う地域もあります。
これは旧暦と新暦の移行の際に「旧暦の3月3日が現在の4月初旬に当たる」ため、そのまま4月にお祝いする習慣が残ったというわけです。
同様に、仙台の七夕祭りが1ヶ月遅れの8月に行われるのも、旧暦を守る風習の名残とされています。
ひな祭りは何をするの? ~歴史的行事と今の楽しみ方~
季節の節目は邪気が入りやすいとされ、五節句のひとつである上巳の節句(3月3日)でも、古くは「曲水の宴」という厄払い行事が行われていました。
川の流れに杯を浮かべ、杯が自分の前を通り過ぎる前に和歌を詠む、という優雅な催しで、宮中で愛好されていたようです。
同時に、人形(ひとがた)や形代(かたしろ)と呼ばれる紙や草木で作った人形に自身の穢れを移し、川に流して厄を払う「流し雛」も行われていたのだとか。
こうした「身代わり人形を水に流して厄を払う風習」が、江戸時代以降に形を変えて、豪華な雛人形を飾るスタイルへと進化していきます。
江戸幕府が五節句を制定した際、3月3日は正式に「桃の節句」に定められ、男の子の端午(5月5日)に対して、3月3日は女の子のための行事として広まりました。
当時は、娘の厄を受ける雛人形が家の財力のシンボルにもなり、華やかで大きなひな壇飾りがつくられるようになったのです。
現代では大掛かりな七段飾りは少なくなったものの、ひな祭りが「女の子の成長を祝う日」として深く根付いているのは、この歴史的背景によるものなのですね。
雛人形を飾る意味~厄除け・良縁祈願の象徴~
元々は「流し雛」として災いや邪気を水に流す目的があった雛人形ですが、その後は人形を家の中に飾って娘を守ってもらうという形に移行していきました。
女性が旅や嫁入りの際に雛人形を持って行くケースもあったと言われています。
「娘の幸せを願い、厄を代わりに引き受けてもらう」のが雛人形の本質だったんですね。
また、男女一対の雛人形が中心となったのは、「良縁に恵まれ、幸せな結婚ができるように」という祈りによるものともされています。
江戸時代中期~幕末にかけては、金屏風の前に男女雛を飾り、さらに三人官女・五人囃子(ごにんばやし)など多彩な人形や道具を加えた大規模な雛壇へと発展。
豪華さを競うような風潮もあったとか。
近年は住宅事情などから、コンパクトな段飾りやケース飾りが人気ですね。
それでも、「女の子の厄を受け止める」という雛人形の持つ意味は変わらず大切にされています。
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ひな祭りの昔の行事と現代の姿
江戸から明治~大正・昭和にかけて、ひな祭りは「雛合わせ」(他家の雛人形を見せ合う)や「雛の使い」(親戚にご馳走を持っていく)、「雛の国見せ」(雛人形を持って自然の景色を見に行く)など、今では考えられないようなユニークな楽しみ方が行われていました。
たとえば「山や海辺へ行って雛人形に景色を見せる」という風習は、現代の感覚ではかなり衝撃的ですよね。
とはいえ、このようなアクティブな風習は徐々に廃れ、生活スタイルの変化とともに「家庭で雛人形を飾り、お祝い料理を楽しむ」という今のスタイルへ落ち着いていきます。
そして、「我が子の幸せを願う行事」として現代に至るまで脈々と受け継がれてきたのです。
七段飾りはなぜ減った? 現代ひな祭りのトレンド
かつて筆者の家のように、七段飾りの雛人形を持つ家庭は少なくありませんでしたが、近年では住宅スペースや収納の問題、共働き世帯の増加などにより、コンパクトな雛人形が主流になっています。
また、和室がない家も増えているため、「洋室にも合うモダンな雛人形」や、ガラスケース入りで出し入れが簡単なタイプが人気を集めています。
とはいえ、七段飾りには三人官女や五人囃子、嫁入り道具や屏風など、多くの要素が詰め込まれていて、とても華やかですよね。
もし、七段飾りを受け継いでいるご家庭があれば、引き続き大切にしてあげるのも素敵なこと。
さらに、お子さんにひな祭りの歴史や意味を伝える良いきっかけにもなるでしょう。
《まとめ》 2025年のひな祭りを意味を知って楽しもう
いかがでしたか?
かつては厄除けの「流し雛」としてスタートし、江戸時代以降にゴージャスな飾り文化へと進化したひな祭り。
桃の節句とも呼ばれるように、春の訪れを祝う行事でもあります。
こうして歴史を紐解いてみると、雛人形は厄を引き受け、子どもを守ってくれる存在であり、女の子が幸せな結婚や人生を歩めるようにとの願いが込められていることがわかります。
七段飾りが減ったとはいえ、コンパクトやモダンデザインの雛人形が注目を集め、家庭のスタイルに合わせて工夫するご家庭も増えています。
大切なのは、「なぜひな祭りを行うのか」「雛人形にはどんな意味があるのか」を子どもや家族みんなで理解し合うこと。
そうすれば、ひな祭りがより深く、思い出に残る行事になるでしょう。
2025年のひな祭りも、家族の思いと共に、雛人形をしっかり飾ってお祝いしてみませんか?
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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